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中国の犯罪組織と結託した売春斡旋業者は、北朝鮮国内の人身売買ブローカーに「若くてきれいな女性を送ってくれ。経験者でも構わない」と要求する。ブローカーは、北朝鮮の清津(チョンジン)、咸興(ハムン)、南浦(ナムポ)などの「待機所(違法宿泊所)」を回る。そして、売春を行っている女性を「中国に行けば大儲けできる」などと言って誘い、中国に送り出す。彼女たちは、中国で売春に従事させられるだけでなく、不法入国者ということから強制送還の恐怖にも怯えなければならない。もちろん、何ら法の保護を受けられない。

(参考記事:凄惨な拷問と人身売買…北朝鮮「人権侵害」の実態

ある脱北女性(30代)によると、「中国で結婚させてやる」と言われて、脱北したものの強制的に売春に従事されられるケースもある。その一方で、中国人男性と結婚し、子どもを産んで暮らすケースもある。しかし、結婚相手やその家族に暴力を振るわれたり、子どもを奪われたりするなど、必ずしも平穏な暮らしを送れるわけではない。

また、人身売買とは違った形で中国人男性と結婚した北朝鮮女性が、公安当局により摘発。北朝鮮に強制送還され、家族が離ればなれになるケースも多数報告されている。送還された女性が、当局にひどい目に合わされるのは言うまでもない。

(参考記事:中朝「脱北者人身売買」の実態・・・売り飛ばされる北朝鮮の女性たち

こうした人身売買が横行する背景には、北朝鮮国内で売春が広がっていることがある。