通常、ビザというものは、ある国に入国するために必要なものだ。しかし、北朝鮮では出国するにもビザが必要になる。これは北朝鮮国民、在住外国人、外国人観光客すべてに該当する。

もちろん中国国籍を持ちながら朝鮮で生まれ育った華僑も例外ではない。これまで、華僑の出国ビザの期間延長は、緩かったが、最近になってその基準が強化されていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

中朝を往来する華僑は、中国滞在時に、北朝鮮の出国ビザが切れれば、中国国内の北朝鮮領事館で期間の延長をすることになっている。平壌出身で中国に3ヶ月滞在中の華僑のチャンさんは、出国ビザの有効期限が過ぎてしまったため、丹東の北朝鮮領事館を訪れて、延長申請を行った。以前なら、期間を過ぎた理由を口頭で簡単に説明し、罰金と延長手数料を支払えばすぐに延長してくれた。しかし、今回は様子が違ったという。

「期間を過ぎた理由を書類に書いて出せと言われた。書類を作成して提出したが、今度は書類に不備があると突き返された」(華僑のチャンさん)

結局、チャンさんは何度も領事館に足を運ぶはめになった。 丹東に滞在している別の華僑のリャンさんによると、出国ビザの有効期限90日を過ぎても、そこからさらに90日が過ぎる前に申請すれば、日を遡って申請したことにしてもらえた。しかし、今では期限が切れてから30日以内でなければ、このような申請はできなくなったという。

また、以前は出国ビザの延長申請を繰り返すと、北朝鮮出国後180日の滞在が可能だったが、今では120日まで短くなってしまった。

北朝鮮当局は「華僑が北朝鮮に良からぬ情報を持ち込んでいる」と監視の目を強めている。今回の措置もその一環と思われる。

中朝関係の悪化の影響で、複雑な状況に置かれつつある彼らが、北朝鮮にこだわるのは理由がある。中朝往来が比較的自由で、ビジネス的に有利という点もあるが、北朝鮮に生まれ育ち、生活基盤があるため、そう簡単に中国に移住できない。また、家族が北朝鮮に残っている場合、家族に危害が加えられかねないという理由もあり、北朝鮮を離れることが出来ないという。

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