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北朝鮮の後継者に金正雲が指名されたということは、1月15日の聯合ニュースの報道以降、ため池の水が溢れ出てくるように流されている様々な情報により確実視されている。金正雲が後継者に指名されたという情報は、単純なうわさを除けば党組織や各機関を通じて公式に下された指示が、確認されただけでも20件以上ある。

これは様々な地域や経路を通じて確認されたが、一方で、これに反する情報は情報量がとても少ないだけでなく、単純なうわさにすぎなかったり、情報伝達者の不正確な記憶に基づいたものがほとんどで、情報としての価値はあまりない。

従って、後継者に金正雲が確定したということを前提にして、北朝鮮の現在の情勢と今後の展望を分析するべきであろう。金正日の気持ちが変わって後継者を変える可能性が無いわけではないが、だからといって、現在の後継者は金正雲という事実が不確実になるということではない。

北朝鮮で後継者が指名されたことは、まず後継者が指名されていない状態で金正日が急に死んだ場合の混乱と危機を大きく減らすことができるということを意味し、2つ目に金正日が業務を徐々に、もしくはとても早いスピードで後継者に受け渡しているということを、要するに北朝鮮の路線と政策全般が次第に金正雲の色で覆われるようになるということを意味し、3つ目に金正日と金正雲の見解の違いやスタイルの違いが生じて、歳の若い金正雲がそれをうまく処理できない時、葛藤が生じる可能性を含んでいる。

金正男については多く知られており、金正哲についてもある程度知られているが、それに比べて金正雲についてはほとんど知られていない。最近、日本のメディアが競うように報道して、また金正日の元料理人、藤本健二氏から成長過程や性格などに関する情報が一部出てきているが、特徴ある情報はない。ただ、他の2人の兄弟と比べても、性格にめだった欠陥がなく競争心も強く、見た目や性格が金正日ととてもよく似ているという話がある。

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金正日が意識不明の状態に陥れば、体制に大きな影響を与える可能性が高い

現在25歳(または26歳)の金正雲がまだ若すぎるという点に注目する必要はある。学問や芸術または専門技術の領域であれば、該当分野だけうまくできればよく、25歳ということがさほど問題にはならない。しかし政治は総合的な能力が必要な分野であり、豊富な経験以外に、十分な判断力やさまざまな人的基盤が非常に重要な分野であり、25歳という歳が大きな障害になってくる。

特に、金正日の健康が急激に悪化して金正雲が1人か2人に大きく依存する時、または反対に権力基盤が強い特定の幹部に対して競争心を抱いてしりぞけようとする時、危機が高まる可能性がある。

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金正日が2008年に脳卒中で倒れて、手術またはその他の治療を受けたというのは、米韓当局の確認からほとんど確実な事実と思われる。そして7月13日にYTNが、金正日がすい臓がんにかかったという、韓国と中国の情報関係者から得た情報を伝えた。こうした情報を確認することができる方法は、現段階ではほとんどないと思われるが、報道された写真などを見ると、金正日の健康が急激に悪化している可能性は非常に高いと思われる。

現在の成り行きを見ると、金正日の長期生存率はかなり低いと思われ、米韓当局もだいたいそうした見解を持っていると言われている。すい臓がん説が事実ならば、金正日の生存期間がさらに短くなると予測される。北朝鮮は、金正日にあらゆる権力と権威が集中している体制であり、金正日が死亡したり意識不明の状態に陥れば、体制全般に非常に大きな影響を与える可能性が高い。

住民が相対的に貧困と感じることや不満が大きくなっている

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最近数年間、中国を行き来する北朝鮮の住民と北朝鮮内部の北朝鮮の住民を分析した際の、住民の生活および衣食の特徴は次のようなものである。

1)食生活を含めた住民の生活全般は、90年代よりも比較的安定している。一部で餓死者は常に出ているが、その数はとても少なく社会全般に及ぶ影響も少ない。

2)貧富の差が日ごとに深まってきており、その差が拡大していて、それによって住民が相対的に貧困と感じることや不満が大きくなっている。

3)単純に生きるという目的を越えた、裕福になりたいという欲求が全階層に拡大した。お金を稼ぐことが行動の最も重要な動機であり、目的であるという人がかなり増えた。

4)金正日に対する忠誠心、北朝鮮体制に対する信念、社会主義に対する信念、その他イデオロギー的な傾向は90年代から弱まってきている。最近、その速度が特に速まったわけではないが、弱まる傾向が続いており、今はだいたい低い状態を維持していると思われる。

5)90年代に金日成が死亡した後の権力交代(実際には金日成死亡以前に権力交代がほとんどなされていたが、住民たちにあまり知られていなかった)や、ひどい食糧難などに対して見られた衝撃や民衆の大きな動揺は、今はあまり目立っていない。

6)最初から韓国に行くという目的を持って脱北したり、密貿易などの目的で出てくる人を除き、食糧が目的であったり、無計画に職を求めるための単純な脱北は、5〜10年前と比べても大きく減った。自発的、または詐巨ォの人身売買も行われているが、5年前よりも大きく減っている。

7)北朝鮮体制に対する信念はかなり減ったが、これが北朝鮮体制に対する本格的な抵抗意識に発展する事例はあまり増えていない。北朝鮮の恐怖統治システムが、依然としてそれなりによく作用しており、体制変化や体制変化後の社会に対するビジョンがはっきりと提示されていないことなどがその原因であると思われる。(続く)