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前述の情報筋によると、中朝間を往来するトラック車両の台数は、制裁決議前と決議後ではそれほど変わりはないという。さらに、中国の税関検査は、一般的に規制と緩和を緩和を繰り返す。制裁が実行されているかどうかも、ある程度の時間がたたない限り見えてこないだろう。

しかし、核とミサイルの暴走が招いた制裁が中朝双方の貿易関係者に不安材料を与えていることは間違いなく、大なり小なり悪影響が生じることが予想される。金正恩第一書記は、核開発と経済発展を両立させる「並進路線」を強調しているが、現場のこうした空気を無視しているとしか思えない。

(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記