韓国の国家情報院によると、北朝鮮から脱出して韓国入りしたエリートは2013年は8人、2014年は18人、2015年は10月までに20人と増加傾向にあり、中には相当な高官も含まれているという。
(参考記事:金正恩氏の「バイアグラ資金」が盗まれている)外交官の外貨稼ぎを制限し、さらに北朝鮮国内に入る前に外貨をブロックすることが出来れば、金正恩体制包囲網がかなり狭まりプレッシャーを与えることが出来るだろう。だからこそ、米国は今回の北朝鮮制裁を「史上最強」と豪語しているのかもしれない。
制裁が北朝鮮の外貨稼ぎにどれだけ食い込められるのか、そしてこれに対する金正恩体制の次の一手に注目される。
(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。