米国が、太平洋艦隊を送ってベトナムを守るとは到底、思えない。そのとき、ベトナムが北朝鮮に何らかの支援を求めたとしても、まったく不思議ではないだろう。
金正恩氏の「マブダチ」であるシリアのアサド大統領などは、今まさに、武装勢力「イスラム国」や反政府勢力を、核兵器でなぎ払ってしまいたい誘惑に駆られているかもしれない。
(参考記事:パリ同時テロの惨事を横目に…金正恩氏はシリアに祝電)日本や韓国のように米国の「核の傘」で守られている国々とは、まったく違った目で北朝鮮を見ている国も少なくないということだ。
それに、そうした国々のほとんどは、金正恩氏がいちばん気にしている人権問題に言及することがない。北朝鮮は今のところ、核兵器技術を外国に移転する意思を否定しているものの、いずれ気が変わる可能性だってないとは言えないだろう。
(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。