北朝鮮が、海外派遣労働者の応募条件を緩和したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。統治資金の確保のために、海外派遣労働者の数を増やそうという狙いが背景にあると見られる。

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋によると、以前は未婚男性や非労働党員は海外派遣労働者に応募できなかった。非党員はそもそも信用できず、未婚男性は、北朝鮮国内に家族、つまり「脱北防止用の人質」がいないため不安だというのが、その理由だ。

今回の応募条件緩和で、海外労働の希望者が以前よりさらに増えているという。一流大学を出ても儲かる仕事につけないことから平壌の一流大学出身者でさえも海外労働を希望するとのことだ。

海外ではたらくためにワイロも

平壌より条件の悪い地方では、海外派遣労働者募集に希望者が殺到している。

募集分野は医療、建設、製造、農業など多岐にわたるが、希望者が急増したことにより、北朝鮮国内には様々な悪影響が生じている。

黄海北道(ファンヘブクト)の情報筋によると、海外派遣労働者の競争率が高まったため、選ばれるために1人あたり1000ドルのワイロを払うために借金までするという。国内の工場に務めても月給はコメ1キロ分にしかならず、様々な政治行事や工事に動員されるが、びた一文たりとも支払われない。

一方、海外に出れば多少しんどい思いをしても、家族を養う収入が得られる上に、家族が一人減るために「口減らし」にもなるという。

しかし、海外派遣労働者の劣悪な状況が徐々に伝わり、多くの人を失望させている。労働環境は非常に悪く、1日に12時間から14時間も働かせる。たまの休みの日にも外出することすらままならない。怪我でもすれば有無を言わさず帰国させられてしまう。さらに、約束された賃金がまともに払われないケースも多い。

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