平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、1月に大流行していたインフルエンザが2月に入ってもその勢いが止まらない状況だ。これと言った拡大防止策は取られておらず、患者は治療を受けられないまま市場に出掛けており、流行の拡大は続きそうな状況だ。
しかし、国営病院の医師たちは何もせずに手をこまねいて見ているだけだ。北朝鮮の庶民たちは、薬もなく、診察にワイロが必要な国営病院には行かず、症状を見てインフルエンザにかかったかどうかを自己判断する。薬が必要ならば、市場に行って個人業者が製造した薬を買って服用する。そんな中、最近人気を集めているのは、そんな業者が製造したペニシリンだ。
もちろん北朝鮮の国営企業でもペニシリンは製造されている。平安南道の順川(スンチョン)製薬工場で作られたものは、平壌製薬総局や軍の「4号倉庫」に納品されるが、一般の市場に出回ることはあまりない。