南北は11日、第5回将軍級会談の終決会議を持ち、京義線、東海線の列車試験運行のための軍事保障に合意するという内容の、‘軍事保障合意書’と、5項の共同報道文を採択した。

両国は来る17日の列車試験運行に関する軍事保障だけ合意し、今後恒久的かつ包括的な南北の鉄道、道路の軍事保障合意書の採択について、協議していくことを約束した。

これにより、一回ではあるが南北鉄道の運行が中断してから56年ぶりに、鉄馬が再び走ることになった。

北朝鮮はただ一回の鉄道運行に対する軍事保障として、共同漁労水域設定をはじめとし、漢江河口の骨材採取事業などの包括的経済協力に対して議論することができるようになり、今後、会談で北方限界線(NLL)の再設定問題について議論できる足場を整えた。

▲ 北、NLL再設定議論の足場用意 = 北朝鮮はこの間、将軍級会談でNLLを再設定しなければならないと執拗に主張してきており、去年の第4回将軍級会談は、北朝鮮がこの問題に最後まで固執して霧散した。

これに対して南側は、NLL問題は南北基本合意書に含まれた他の軍事的信頼の構築問題とともに、議論しなければならない事案と言い、将軍級会談ではなく、長官級会談などの話し合いを行う会談で議論しなければならないという立場をとってきた。

しかし、今回の会談で北側は、この間議論自体をはばかった西海上の軍事衝突の防止と共同漁労水域の設定問題を集中的にとり上げ、NLLの再設定問題を争点にした。

結局、南北は共同報道文で、西海上の衝突の防止と共同漁労水域の実現などを合意し、今後、NLLの再設定問題を呼び起こす火種を残すことになった。

北側にはNLLの再設定問題を露骨に要求した既存の戦略を変え、西海上の衝突防止と共同漁労という間接的方法を通じて、NLLを無力化しようとする意図があると思われる。すなわち北側の立場では、NLLの再設定問題に対して原則的な立場を見せてきた南側と、西海上での衝突防止などの問題を議論し、NLL問題を議論することができるようになったということだ。

▲ 海州港直航、NLL無力化に利用される可能性 = 特に北側は経済の活性化などを理由に、北朝鮮の民間船舶の海州港直航問題をあげた。海州港直航が実現すれば、北朝鮮船舶は、海州港を出発してヨンピョン島と仁川沖合の間を経て、韓国側の西海に出ることができる。

北側は海州港直航問題を第3回、第4回将軍級会談でも要求している。海州港直航が実現すれば、南北経済は活性化する側面があるが、北朝鮮がNLLの無力化のための手段に活用する可能性もある。

現在、NLL以南の海上は、国際法的に公認を受けることができていないが、実効的支配を通じて、韓国領土として認められている。しかし、北朝鮮船舶が自由に通航するようになれば、実効的支配の原則が壊れる可能性がある。

これに対して南側はNLLの無力化と解釈できるため難色を示し、南北は“西海上で軍事的信頼が醸成される場合、海州港直航問題を協議する”という線で合意した。

これにより、7月に開催される第6回将軍級軍事会談で、NLL問題が核心争点として浮上する可能性が高い。

▲ 北、‘軍事保障’カード積極的活用 = 今回の会談の結果、北朝鮮は今後行われる南側との会談で優位を占めることができる有利な立場に立つという評価が支配的だ。

北側は常設的軍事保障の合意という、韓国側の要請を拒否して、制限的軍事保障を固守した。これは北側が今後の交渉で‘軍事保障’問題を適切に活用しようとする目的があるという解釈が可能だ。南側の経済支援やNLL再設定問題において進展が見られない場合、いつでも’軍事保障’カードを取り出すことができるからだ。

また北側の立場では、自分たちが望む西海共同漁労、骨材採取、海州直航路線の開設などについて議論する過程で、‘軍事保障’というカードを積極的に活用することができるため、今後行われる会談で、交渉の優位を占めることができるようになる。

▲ 北、列車試験運行の軍事保障で莫大な支援を得る = 更に、北朝鮮の軍事保障措置によって、南北経済協力に弾みがつくようになり、北朝鮮は南側の莫大な支援を得ると思われる。

先月22日に平壌で開かれた第13回南北経済協力推進委員会で、南側は列車の試験運行と北側の 2・13合意の履行によって、北側に米40万トン(1億5200万ドル)と、軽工業原資材(8000万ドル)を提供することで合意した。

これにより、南側は約束した軽工業、地下資源協力事業を、来月中旬に実施することになる。北側に提供することにした石鹸、靴、衣類など軽工業原資材の中で、衣類製造のためのポリエステル繊維500トンが来月27日に北朝鮮に送られる。

また、南北は来月6日までに、咸鏡南道タンチョン地域のゴムドク鉱山とリョンヤン鉱山、デフン鉱山に対する共同調査を行う予定。第3国共同進出に関する実務接触も来月予定されている。北側はロシア極東地域の原油、天然ガス、石炭、木材などの資源開発分野の南北共同進出を提議している。