そして、「絶望」の最大の理由は人権問題にある。これは、決して私の勝手な思い込みではない。北朝鮮自身が、核実験後の声明などの中で、そうしたメッセージを折に触れて発しているのである。
(参考記事:北朝鮮「核の暴走」の裏に拷問・強姦・公開処刑)ところが、日本の新聞を読んでいても、こうした解説にお目にかかることはほとんどない。なぜか。北朝鮮が発するメッセージの独特な表現や文体を小バカにするだけで、その内容の変遷を丹念に追おうとしないのだ。
そのせいで、年始には金正恩氏が「今年は南北対話に前向き」などとするトンチンカンな記事がネット上にあふれた。その直後、北朝鮮が言うところの「水爆」が炸裂し、東アジア安保の緊張がかつてないほど高まっているのは周知のとおりだ。
(参考記事:金正恩氏が「暴走」をやめられない本当の理由)