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なぜなら「人道に対する罪」が、北朝鮮の体制が望んできたものすべてをぶち壊しにしようとしているからだ。核とミサイルを材料にいくら取引を試みても、まともな国(そして企業)は“ヒトラー”と商売などしない。

たとえ豊富な地下資源と勤勉な労働力があろうと、たとえ観光地としての可能性をアピールしようと、その裏に「人道に対する罪」が存在する限り、「反人道的国家」との商売は躊躇される。これまで自ら望んで鎖国体制を敷いてきた北朝鮮は、国を開きたくとも開けない闇の中に封じ込められてしまうのだ。

正恩氏が「人道に対する罪」から逃れるために、やるべきことはひとつしかない。いますぐ政治犯収容所を閉鎖して、すべての罪を祖父と父になすりつけ、断罪するのだ。

しかしそこでまた、難題にぶち当たる。祖父と父の権威に頼らずに、彼に何ができるのかという問題だ。もしかすると正恩氏にも、「こんなはずではなかった」と後悔した瞬間があったのではないか。祖父と父は、自分に指導者としてのレールを敷いてくれたはずだった。ところが、その「功績」がいまや両刃の剣だ。

早い話、正恩氏はトランプの「ババ」を引かされたのだ。