実際のところ、彼が問われている罪のほとんどは彼の祖父(金日成)と父親(金正日)によって重ねられたものだ。彼らは政敵や反対派を血の粛清で葬り去ることによって、あるいは政治犯収容所に閉じ込めることによって君臨してきた。
(参考記事:北朝鮮の「公開処刑」はこうして行われる)(参考記事: 赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…政治犯収容所の恐ろしさ)
こうした歴史は、正恩氏にとっては「負の遺産」そのものだ。まったくとんでもないものを押し付けられたものである。
とはいえ、もはや正恩氏にも罪なしとは言えない。彼が最高指導者となって以降も、幹部や一般国民の公開処刑は行われており、政治犯収容所の運営も続けられている。
(参考記事: 「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」……残忍さを増す粛清現場を衛星画像が確認)一般国民が置かれた人権状況も深刻だ。
(参考記事: 「差別」と「性的暴力」が横行…北朝鮮「人権侵害」の実態)(参考記事: 十代で売られる少女、軍隊内での性暴力の横行…人権侵害の告発を始めた北朝鮮の女性たち)
そして、正恩氏が核開発やミサイル発射を続ける裏にも、間違いなく人権問題が存在する。