中国に住む脱北者の子ども3万人が無国籍状態に置かれ、学校にも通えず、福祉からも排除されている実態が、脱北者の証言を通じて明らかになった。

英国の「ガーディアン」によると、5日の英国議会で、複数の脱北者が「無国籍児童」問題について証言。そのうちのイ・ソンジュさんは、次のように証言した。

「人身売買ブローカーにより中国に売られた脱北女性が生んだ子どもが3万人に及び、基本的人権が保証されていない」

無国籍で学校に通えない子供も

イさんは、吉林省に住む7歳の子どもが「無国籍」ゆえに、極めて不安定な立場にいる実態を例に挙げた。

「子どもたちは、無戸籍で小学校に入学できず、友達もいない。母親は子どもが病気になっても病院にも連れていけず、とても心を痛めている」

韓国の統一省は2012年の調査で、このような子どもが3万人に及ぶと推測しているが、詳しい実態は明らかになっていない。

1998年に脱北し、中国人男性に売られたパク・チヒョンさんによると「ブローカーは北朝鮮女性に接近し、食べ物、住居、仕事などがあるなどと甘言で誘い出し、主に中国東北部の農村地域の中国人男性に売る」と述べた。

パクさんには4歳になるヨンジュンという名前の息子がいるが、彼女が中国公安当局に摘発され、北朝鮮に強制送還されてしまい、悪態をつく中国人の夫の元に取り残された。

彼女は半年後に再脱北に成功し、息子を連れて中国を脱出、現在は二人でロンドンに暮らしている。しかし、半年間置き去りにしたことに対して未だに罪悪感を感じているという。

しかし、母親が北朝鮮に強制送還され、離れ離れになった子どもたちは大勢いるとパクさんは述べた。

中国では両親のどちらかが中国国籍を持っていれば、市民権を得られるが、登録の際に母親が脱北者であることが発覚してしまうため、登録をできずにいると説明した。中国では脱北者は難民と認められず、発覚した場合に北朝鮮に強制送還されるためだ。

中国で活動するNGO「北韓人権市民連合」は、昨年4ヶ月の赤ん坊から60歳の女性に至るまで112人の脱北者を中国からの救出に成功した。しかし、最近中国政府の弾圧が激しくなっているため、国際社会に「無国籍児童」の問題への介入を促すためのキャンペーンを行っている。今回の英国議会での証言はその一環だ。

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