金正恩第一書記の「恐怖政治」は、2016年も続いている。とりわけ、労働党中央と内閣などの上級幹部に対する統制が強まっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平安南道(ピョンアンナムド)在住の内部情報筋は語る。

「労働党中央の部長・副部長クラス、または内閣の上級幹部は、一日の事業スケジュールはもちろん、毎日、時間別に本人が現在いる場所を必ず金正恩第一書記に報告しなければならない。また、どこの誰と面談したのか、または寝る前までどのような事業を進めたのかも必ず通知しなければならない。こうしたルールを破ると、即解任される」

位置報告義務、時間報告義務

時間別の位置報告義務は、金正日時代からあったが、金正恩時代に入ってからは、より厳しくなり対象も増えているという。大衆を相手にする地位にある彼らは、金正恩氏の監視から逃れられなくなったことになる。

監視強化について情報筋は「位置報告義務は、幹部の動きを時間ごとにチェックすることにより『小グループ(組織)』が形成される前に、潰そうという狙いだ」と指摘した。また、背景には、高級幹部たちの隠密行動を見逃すと、「いつ、どこで、どのような陰謀がたくらまれるかわからない」という金正恩氏の猜疑心があるという。

「高級幹部たちは、書記室を通じて金正恩氏に位置報告を行うが、これを怠ると『唯一的指導拒否罪』で処分される。仮に『お前は今どこにいるのか』というチェックが入れば、すでに解任、失職を覚悟しなければならない」(情報筋)

情報筋は、「金正恩氏が最高指導者になってからの4年間、時間報告義務を軽んじて、報告を怠っていた幹部たちは間違いなく解任された」と述べながら、次のように語った。

「こうした殺伐とした雰囲気のなかで、どんな時でも金正恩氏が探せば、飛び出してすぐに駆けつけなければならず、ビクビクしている」(情報筋)

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