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1997年に北朝鮮の工作員によって暗殺された成恵琳氏の甥、李韓英(イ・ハニョン)氏は、金正男氏と共に、金正日氏の官邸で育った。李韓英氏は手記「大同江ロイヤルファミリー」で、正男は幼い時に父親の金正日氏から「帝王学の授業」を受けさせられたと記述している。金正日氏が幼い正男氏を労働党本庁舎の自分の執務室の机に座らせて、「将来、おまえが座る席だ」と言ったという。

主に中国で活動してきた金正男氏は、金正哲氏やジョンウン氏の生母である高ヨンヒ氏が2004年に死去すると、「私の母も亡くなったし、正哲とジョンウンの母も亡くなった。後継者は朝鮮の風習に従って長男がならなければならない」と発言していたという。そのため、偶然なのかどうかは分からないが、高ヨンヒ氏が死亡してから1年経った2005年に、ようやく「成恵琳の墓-墓主金正男」という「真実の文字」が世に出たのかも知れない。

中国政府が金正男氏を「遠隔警護」しているということはは、もはやある程度知られた話だ。金正男氏も今、精一杯身をかがめている。現在としては、だいたい2012年頃と予想されるが、金正日氏が生きていたとして金ジョンウン氏を後継者に定めるまで、言い換えれば「唯一指導体制」で正雲が金正日氏の後を継いで「唯一の」権力を行使するようになる時期まで、金正男氏は精一杯身をかがめるしかないだろう。それが、彼の生き残る道だからだ。そして、金ジョンウン氏が権力を固めたら、金正男氏は身をかがめたままで、金正日氏の異母弟である金平日(キム・ピョンイル)氏のように生きるしかないだろう。

だが2012年以前に、すなわち金ジョンウン氏の権力が固まる前に、もし金正日氏が急死したり統治不能の状態に陥ったら、その時金正男氏は果して身をかがめたままでいるだろうか。筆者は北朝鮮の今後の後継問題と関わって、金正男氏が「自分の本心を現わす」可能性が10%程度は残っていると見ている。