北朝鮮にいた頃に食堂のサービス分野の責任者を勤めていた脱北者のパクさんによると、「韓国でハンバーガーを初めて食べた時は、あまり口に合わなかった。北朝鮮の住民の口に合わせれば、人気が出るだろう」と予想した。
一方で、「値段が安いことから材料を大量に仕入れていると思われがちだが、実際に北朝鮮では不可能なことだ。表では北朝鮮の住民向けだと宣伝しているが、実際には外国人や幹部向けにオープンした店だ」と指摘した。
この店のお勧めメニューであるハンバーガーと「クムガン生ビール」の値段が、それぞれ190ウォンと76ウォンである。これは北朝鮮の物価を考えてもかなり安い。北朝鮮の代表的な屋台料理の「人造肉(ソイミート)ご飯」や「餃子ご飯」が、1食100ウォン〜150ウォンで売られているのに、牛肉が入ったハンバーガーを190ウォンで売るというのは、常識では考えられない。平壌市内の「生ビール屋台」で「ビール供給券を出しても、1000CCが1杯で800ウォン以上する。「ビール供給券がなければ、1500ウォン〜2000ウォンも払わなければならない。
パクさんは「これだけ安いので、おそらく外国人や幹部向けのもので、一般の住民には平壌の『玉流館』のように、人民班ごとに支給される『供給券を持っている人だけに公示値段で売るのだろう」と予想した。結局、対外宣伝用のお店ということである。
個人が牛を飼うことができない北朝鮮の制度を考えると、食材を持続的に供給できるのかどうか、疑問も生じる。北朝鮮では牛肉は、市場の価格も決まっていない非常に珍しい食材だ。ちなみに豚肉は7月現在、平壌地域の市場で1キロ当たり4000ウォンで売られている。