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そこで、金英哲氏は戦略を変えた。実力のみで出世レースに勝たなければならないと考えたわけだ。彼がどれほど勉学に励んだかは、1980年代末から見え始めた。

チェ:当時、北朝鮮では、月の第1週、第3週、第5週と隔週土曜日に講演会を開催していた。労働党の書記級と幹部、軍の将軍級が集まる中央党1組講演、大佐以上の幹部、内閣、省の局長級が集まる中央党2組講演、そして人民武力省の講演が代表的だ。当時、金英哲氏は偵察局7部長を務めており、高級幹部が集まる場に講演者として頻繁に登壇した。

通常、1時間から1時間半の講演を行うのだが、彼は原稿を一度も見ずに韓国の政治、軍事情勢をそらんじて説明した。韓国軍のシステムから幹部の名前と役職、任命日、安全保障会議の内容、部隊の場所、戦力配置など知らないことはなかった。

Q.出身成分がよくない金英哲氏が猛スピードで出世した理由は優秀だったから?

チェ:そうだ。もちろん、金英哲氏を後押しした人物がいた。2013年に処刑された張成沢(チャン・ソンテク)氏の兄、張成禹(チャン・ソンウ)氏だ。当時、張成禹氏は偵察局長を務めており、金英哲氏を自分の秘書のように働かせていた。張氏は、金英哲氏の働きぶりを見て、並みの賢さではないことに気づき、重用し後押しするようになった。

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