「日本で最初に人工衛星を情報収集に使ったのは、陸上自衛隊です。1969年に国会で『宇宙平和利用』が決議されたこともあり、人工衛星は長らく文部省(当時)の“領域”で、自衛隊は完全に排除されていました。

そのため『災害派遣に活用する』という方便を使い、国土地理院の地図作成業務を支援していた陸自中央地理隊が、フランスなどが開発した商用衛星『SPOT』や米国の『LANDSAT』が撮影した画像を購入することで、偵察衛星代わりにしていたんです。陸自はまた、1986年に民間で初めて開設された東海大学宇宙情報センターと共同で分析手法を研究していたはずです」

冷戦期になぜ...

1972年にアメリカ航空宇宙局(NASA)により打ち上げられLANDSATが民間に移管されたのが85年、SPOTの打ち上げが86年のことだ。研究者の言葉に従えば、陸自中央地理隊による“衛星情報活動”は、80年代半ばにはすでに始まっていたと見るべきだろう。

一方、この説明に対し違和感を覚える向きも少なくないはずだ。

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