国内で流通する製品のかなりの割合を占める中国製品の禁止令に対して、北朝鮮住民は激しい不満を示している。
幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)はもちろん、庶民でさえも「頭の先から足の先まで中国製」という現状の北朝鮮で、多くの市民は「こんな命令が長続きするわけがない」(情報筋)と見ている。
また「どうせそのうちうやむやになるだろう」と状況を見守りつつ、庶民は質の悪い国産品、金持ちは他の国の製品を使うことで取り締まりを逃れている。
「いくら頑張っても国産品の質は外国製に敵わない」「国同士の関係が悪くなったからと、生活必需品まで取り締まるのはひどい」と皆一応に当局のやり方を批判しているという。
各情報筋は、今回の禁止令が、12月12日のモランボン楽団の北京公演のドタキャンの前か後かは明らかにしていない。また、新義州(シニジュ)や恵山(ヘサン)など中朝貿易の拠点都市や、他の地方都市の状況は伝えていないが、あまりにも非現実的な今回の禁止令が、地方ではまともに施行されていない可能性もある。