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拉致被害者を取り戻すには、どう考えても北朝鮮内部からの協力が必要なのに、それを得るための膨大なコストを賄うくらいなら、金正恩体制が急に正直になるという、ありそうもない変化に期待している。

ロシアにとって北朝鮮は、国際社会で影響力を確保しておくためのテコでしかない。ウクライナ紛争が起きて以降、その傾向はいっそう強まっており、むしろ米国をけん制するため北朝鮮への肩入れを強めているくらいだ。

中国は、北朝鮮へのエネルギー供給を止めることで、金正恩体制の命運を断つこともできる。しかしその代償は、国境地帯から東北地方一帯への混乱の波及であり、新たな「親米国家」と国境を接するリスクだ。そんなものをまったく引き受ける気のない彼らは、損得勘定の末に金正恩体制を放置してきた。

そして韓国は、「リスクを甘受してでも問題打開のために行動すべき」とする積極的な統一志向と、「統一後の民族の運命を考えても繁栄を維持すべき」とする慎重な考え方の間で悩まざるを得ない。

北朝鮮の金正恩体制は、こうした周辺国の思惑のズレの間に、生存空間を確保してきたわけだ。

大量破壊テロの恐怖

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だが、こうした思惑のズレは、いつも不変というわけではない。