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さらには「鉄道崩壊」の問題もある。北朝鮮では1960年代以降、鉄道の電化が積極的に進められた。機関車を動かすディーゼル油不足を補うため、水力発電をアテにしたものと思われるが、これが今になってアダになった。電力難のため鉄道がまったく動かず、ちょっとした距離を移動するにも気が遠くなるような時間がかかってしまう。

(参考記事:東京から岡山まで10日!? 電力難が招く北の「鉄道崩壊」

もともと車の燃料は不足しているから、鉄道まで止まってしまうと、ヒトやモノの輸送がマヒしてしまう。これでは国家主導の計画経済がうまく行くはずがない。

一方、計画経済などそっちのけで発展する大衆の「草の根資本主義」は、「ポリバス(稼ぎバス)」という民間交通手段に頼っている。日本で言う「白タク」(無認可タクシー)のような闇ビジネスとして出発したものだが、商売は大いに繁盛しており、「トンジュ」と呼ばれる新興富裕層の発生源にもなっている。

(参考記事:北朝鮮、電力難でバス運行に支障 高くても民営バスを利用