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金正恩第1書記の父・金正日総書記は、国家に身も心も捧げる女性集団「喜び組」を作り上げた。それだけでなく、夜の奉仕を専門とする「木蘭組」という特別な女性集団も存在するという。

(参考記事:北朝鮮の「喜び組」に新証言…韓国テレビ「最高指導層の夜の奉仕は木蘭組」

こうした女性たちは「5課処女」と呼ばれ、早ければ16、17才で選ばれ、政治的な身辺調査だけでなく、過去の男性経験をも含めた身体検査まで行われる。審査に合格すれば、金一族を支える「特別な」集団へ仲間入りできるが、不合格となれば、党幹部たちの愛人として囲われるケースも多い。

(参考記事:北朝鮮「最高権力」の秘密を知りすぎた女たち

トンジュが経営するスーパー銭湯は、こうした不倫カップルが密かに関係を結ぶ場になっているのだろう。

金正恩氏は、いちおう売春を厳しく取り締まる姿勢を見せている。しかし、「上乱れれば下これに習う」という言葉があるように、国家の統制システムとして、女性を慰み者にしながら、幹部たちが性欲に溺れているような状況では、到底説得力を持たない。

まずは、国家の指導層が身を正すべきだろう。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記