北朝鮮の刑法には、「反国家及び反民族犯罪に対する不申告罪」(72条)という条項が存在する。これは、そのような犯罪者を知りつつも「該当機関に知らせなかった者は3年以下の労働教化刑に処す」というものだ。また、73条ではそのような犯罪者を知りつつも放任していただけで処罰されると規定されている。
この条項に基づいて、脱北者の存在を知りつつも通報しなかった住民に対する処罰が行われているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
最近脱北した女性の証言によると、昨年10月、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市で、初級幹部1人を含む家族と大学生7人が、闇夜に紛れ、中朝国境を流れる鴨緑江を渡って脱北する事件が発生した。
規模が大きかっただけに、両江道と中央政府から派遣された保衛部の捜査官が、脱北者の知人を対象に大々的な取り調べを行った。