先日、デイリーNKは、北朝鮮で華僑に対する取り締まりが強化されており、スパイ容疑で100人以上が逮捕、なかには銃殺刑に処された華僑もいると報じた。どうやら、金正恩第1書記が内部情報が外部へ流出することに敏感になっているようだ。

中国丹東在住のデイリーNKの情報筋は次のように語った。

「華僑の中でキレイに金を稼ぐ人はいない。当局と密接な関係を築きながら金を稼ぐ。特に、大規模な利権事業を展開する華僑は、保衛部と通じているが、彼らのなかにスパイがいるという密告があった」

北朝鮮国内で様々な利権事業を握っている華僑が、内部情報を外部へ流出していると報告があったという。これに対して、金正恩氏と国家安全保衛部(秘密警察、以下:保衛部)と連携をしながら、逮捕を指示したというのだ。

「北朝鮮当局は、一部の華僑が、保衛部と協力する一方で、南朝鮮(韓国)の情報機関(国情院)に接触しているという情報を入手したようだ。金正恩氏は、この機会に華僑を捕まえて、見せしめにするつもりだ」(情報筋)

また、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部消息筋も、「今年の秋ぐらいから、咸鏡北道の会寧(フェリョン)で華僑が逮捕されたと聞いている。これまでも当局は、華僑を継続的に監視してきた。スパイ行為の揚げ足を取ろうとしているようだ」と語った。

華僑による情報漏洩が、取り締まり強化の狙いという見方が強まるなか、北朝鮮全域で市場に多大な影響力を及ぼす華僑に対する監視と統制が目的だという見方もある。

「華僑は10トントラックを2、3台保有し、北朝鮮の行商や卸売業者は、常に華僑の家の前に待機している。住民からは『小王国』と言われるぐらいだ」(咸鏡北道の情報筋)

華僑は、北朝鮮人の家政婦を雇うケースも多く、子供たちは皆、中国に留学させる。裕福で立場が強い華僑の存在が、住民へ悪い影響を及ぼすと金正恩氏が判断したようだ。

北朝鮮が今回の事件について沈黙している理由について消息筋は「ないと、より事実という点が浮き彫りにされることをよく知っているからだ」と述べた。

北朝鮮当局は、一連の件については沈黙を守っている。「下手に大事にすると、今後の中朝関係を進めるうえで、不利になるからだ」と、この情報筋は語った。

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