人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

57 拘束、処刑及び失踪に関わる北朝鮮における深刻な人権侵害の特徴は、大規模な治安組織のさまざまな部門を高度に中央集権化して調整することで実行されている点である。国家安全保衛部、人民保安部、及び朝鮮人民軍保衛司令部が、恒常的に人々を政治犯罪に問い、恣意的に逮捕し、その後外部との接触を断った状態で長期間拘束する。家族には安否も所在も知らされない。このため政治犯罪に問われた者は強制失踪の被害者となる。容疑者を失踪させることがこのシステムの計画的な特徴であり、国民に恐怖を植え付ける役割を果たしている。

58 拷問も、北朝鮮の尋問プロセス、特に政治犯罪に関わるケースにおいて認められる特徴である。容疑者に圧力をかけて自白させ、また他者を告発させるため、飢餓及びその他の非人道的な状態での拘束も意図的に行われている。

59 重大な政治犯罪に関わったことが判明した者は公判や司法による決定なしに、政治犯収容所(管理所)に「失踪」させられる。そこで監禁され、隔離される。死亡した場合でも家族にその安否が知らされることはない。過去には、連座制の原則に則り、近親者(祖先を含む三代まで)が犯した政治犯罪のために、当局によって家族全員が政治犯収容所に送られることが通常であった。現在もこのようなケースが起こってはいるが、過去に比べると減っているようである。

60 北朝鮮の政治犯収容所では、計画的な飢餓、強制労働、処刑、拷問、レイプ、並びに処罰、強制堕胎及び嬰児殺しによって執行される生殖に関する権利の否定を通じて、収容者は徐々に排除される。調査委員会は、この50年間に数十万人の政治犯が政治犯収容所で死亡したと推定している。政治犯収容所の収容者に対して行われた筆舌に尽くしがたい残虐な行為は、20世紀に設立された全体主義国家の収容所の恐ろしさと類似している。