43 送還された者には深刻な人権侵害が待っているにもかかわらず、中国は、不法に国境を超えた北朝鮮国民を強制送還するという厳しい政策を維持している。中国は、こうした者は経済的(及び不法)移住者であるとの見方に従って、これを実行している。
しかし、国境を超えた北朝鮮国民の多くは、迫害から逃れた難民又は後発難民と認められるべきであり、その結果、国際的な保護を受ける資格を有する。中国もまた、北朝鮮国民を強制送還することで、国際難民法及び国際人権法下におけるノン・ルフールマンの原則を尊重する義務を怠っている。場合によっては、中国当局者が北朝鮮当局のカウンターパートに逮捕者に関する情報を提供していると思われる。
44 北朝鮮における女性に対する差別、その脆弱な立場、並びに追放及び送還の可能性のため、女性は人身売買の被害に非常に遭い易い。北朝鮮の多くの女性が、無理矢理結婚若しくは内縁関係にさせる、又は強制的に売春させる目的で、強制的あるいは騙されて北朝鮮から中国へ売られ、又は中国国内において売買されている。現在中国には、北朝鮮人女性の子供が 20000 人いると推定される。この子供たちは出生届、国籍、教育、医療の権利を剥奪されている。出生を登録することにより、母親が中国による追放及び送還のリスクに晒されるためである。