平壌に最近、完成したマンション団地「未来科学者通り」の中にある商店「蒼光(チャングァン)商店」。今年9月25日、金正恩第一書記は現地指導に訪れ「人民のための商業奉仕基地が建ち、とても気分がよい」と満足気に語った。さらに「質の良い商品を並べ、人民が喜んで訪れて買い物ができる繁盛店、社会主義商店にしよう」などと語った。

蒼光商店を現地指導に訪れた金正恩氏(画像:労働新聞)
蒼光商店を現地指導に訪れた金正恩氏(画像:労働新聞)

ところがこの店、閑古鳥が鳴いているという残念なニュースが飛び込んできた。

蒼光商店の新店舗は、故金正日総書記の発起で、1983年11月にオープンした店を、移転、拡張した。現在は、地下1階、地上5階建て。1階では玩具、ガラス製品、日用雑貨、2階では真鍮の食器、子ども用品、3階では扇風機、アイロンなどの電化製品やスポーツ用品、文房具が売られている。また、ミニ遊園地とコーヒーショップも併設されている。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、「蒼光商店は、誰でも利用できるわけではなく、中央党の幹部と家族だけが使える『幹部専用商店』だ。陳列されている商品は、国からもらった商品購入券を持っている幹部に対してのみ販売される」と語った。

こうした事情から閑古鳥が鳴いていると情報筋は付け加えた。

しかし、北朝鮮当局は「世界に自慢できるおしゃれショップ」などと自慢している。ショーウィンドウには、人気の高い輸入品は全くなく、平壌市内の工場で作った製品ばかりが並んでおり、まるで「国産品展示場」のような有様だという。消費者のニーズに合わせらず競争力がないようだ。

一方、蒼光商店からわずか50メートルしか離れていない場所に、平屋建ての小さな外貨ショップがある。こちらは、輸入品なども多く、大賑わいだ。また、北に2キロほど行けば、市内でも有数の大きな市場もある。

蒼光商店でショッピングを楽しめるのは幹部に限られるが、見物は誰でもできる。北朝鮮では珍しい傾斜式エスカレーターが設置されていることもあり、物見遊山でやって来る住民も多いが、実際に訪れた人々は次のように言っている。

「世界的レベルの商店だと言っていたが、市場の方が全然いい」「外貨も北朝鮮ウォンも使える人民百貨店(=市場)が最高だ」

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