1990年代前半に朝鮮半島で第1次核危機が起きてから、すでに20年以上が経った。その間、日米韓中露など主要国は北朝鮮の核開発を批判し続けてきたが、結果はどうか。
北朝鮮は実質的に核武装を成し遂げ、大陸間弾道ミサイルや潜水艦発射ミサイルを開発する段階に進んでいる。
つまり我々が認識すべき「不都合な真実」とは、北朝鮮は自力で核武装を成し遂げる意思と能力を十分に備えていたが、日米韓中露の側には、それを抑え込む意思と能力が欠けていたということだ。
もちろん、主要国とて何もしてこなかったわけではない。かつて日本は、北朝鮮の核開発を巡る諜報戦の「主戦場」のひとつだった。朝鮮総連の秘密送金が開発資金なっていると見たCIAと警察庁は、極秘の「捜査マニュアル」を作成。強制捜査に踏み切り、朝鮮総連と激突を繰り返した。