今年3月には、金正恩氏の夫人・李雪主氏も所属していた銀河管弦楽団の芸術関係者が、「韓国人スパイ」と関係をもった容疑で公開処刑されている。それも、400~500人の前に引き出し、機関銃で体を粉々にするなど残忍な処刑方法でだ。
今回は、初の海外公演だけに、楽団の面々が様々な誘惑に駆られることもあり得る。まして、中朝関係の修復という国家レベルの使命が与えられているのだ。公演後に数人のメンバーがいつの間にか見られなくなったという事だけは起こってほしくない。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。