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1979年10月26日夜、朴正熙は韓国中央情報部(KCIA)の運営していた秘密宴会場の酒席において、腹心のひとりだった金載圭(キム・ジェギュ)KCIA部長の銃撃を受け、絶命した。

暗殺の動機については、民主化を求める学生デモを抑えられない責任を問われ、政権内で追い詰められていた金載圭の一時的な激情であったとする説が有力だ。しかし、金載圭が陸軍保安司令部に逮捕された当初、「私の後ろにはアメリカがいる」などと言っていたこともあり、一部の人々の間では「アメリカ黒幕説」が根強く囁かれてきた。

では、どうしてアメリカが朴正熙を殺す必要があったのかと言えば、「核兵器開発を阻止するためだったのではないか」というのが彼らの主張である。

こうした見立てにこだわる人々にとっては、自説の根拠となる〝状況証拠〟がほかにもふんだんにあるのだ。

対向車線から正面衝突

世界的に著名な理論物理学者、李輝昭(ベンジャミン・リー)博士の「不可解な事故死」もそのうちのひとつに数えられる。

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