平壌の西にある江西(カンソ)や南浦(ナムポ)は古くから名水の地として知られている。質の高い炭酸水として有名な「江西薬水」は中国や韓国にも輸出されるほどだ。なかでも剣山里の水は、金正恩第1書記に毎日献上される。

北朝鮮産の天然水(本文とは関係ありません)
北朝鮮産の炭酸水「江西薬水」

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、この水は炭酸カルシウムの含有量が多い硬水で、慢性胃炎、大腸炎、胃潰瘍にも効果がある。ごはんを炊くと黄色くなり、食べると消化不良が治る効能の高い水だ。

地元の住民にも愛飲されてきたが、今では水源に近寄ることすらままならなくなった。金一族が独占したからだ。

1991年に道路が建設されたことをきっかけに、護衛総局が管理をはじめた。水源地のまわりに鉄条網が張られて、入れなくなってしまった。

護衛総局の要員は、わざわざ40キロも離れた平壌から訪れ、金正恩第1書記のための飲料水を汲んでいく。それも毎日だ。理由は、「元帥様(金正恩氏)に宵越しの水を飲ませるわけにはいかない」

「宵越しのものはNG」は水だけではない。なんとタオル、下着、歯ブラシに至るまで身の回りのものは一度使ったらすべて廃棄処分しているというのだ。

金正恩氏の口に入る食べ物、飲み物のみならず、直接肌に触れるものは厳重な管理のもとに置かれている。万が一、問題が生じたら責任問題として担当者や関係者が処刑されてもおかしくはない。つまり、そういったリスクを避けるためにも、過度な管理をせざるをえないわけだ。

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