中谷元防衛相が、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処を強化するため、離島などに警戒監視レーダーを整備していく必要性を強調した。
中谷氏は29日、長崎県の対馬にある自衛隊の基地を視察。同基地はレーダーで24時間、周辺海域の警戒監視に当たっている。
視察後、中谷氏は記者団に対し、「(北朝鮮が弾道ミサイルの)発射を示唆するなど差し迫った脅威となっており、対処能力を強化したい。固定式の警戒監視レーダーの整備や能力向上を行っていく」と述べた。
防衛省は対馬市の航空自衛隊海栗島分屯基地への新型レーダー設置関連費を2016年度予算案の概算要求に計上している。
一方、中谷氏は北朝鮮が日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行い失敗したとの情報について、「詳細は差し控えるが、現時点でわが国の安全保障に直ちに影響を与えるような事象は発生していない。北朝鮮の動向は引き続き注視していく」と述べた。