当時、労働党の幹部たちは、金正日氏の身なりや帽子、後ろに少し身を反らす姿勢まで真似しなければならないと考えていた。とりわけ、金正日氏にへつらう幹部は、全ての行動を真似ようとしていた。
キム・ジョンスル組織書記は、金正日氏に直接会えるということで「スピード出世のチャンスだ!」と思い、満を持して特別に身だしなみに気を使った。髪形は、当時幹部たちの間で流行していた「将軍様ヘア(パーマのかかった髪)」にわざわざ変えた。
また、金正日氏のご機嫌を取るために、大紅湍郡革命戦跡地の解説講師のなかから、とくに美人の女性講師を選んで、花束を渡す係としてお膳立てした。
「お前は何者だ!」怒声に震える
金正日氏を乗せた自動車が、大紅湍郡革命戦跡地の前に止まると、組職書記は興奮状態で車の前に駆け付けた。しかしその時、かみなりが落ちたような声が鳴り響いた。