今年6月、北朝鮮当局は過去100年で最悪の干ばつにより農業被害が生じていると報じていた。しかし、デイリーNKの両江道(リャンガンド)の内部情報筋は「穀物生産量は水害や日照りにもかかわらず、平年の水準を維持。さらに個人耕作地は豊作だ」と伝えてきた。

情報筋によると、どこからも凶作の話は聞こえてこず地元の協同農場の幹部も「水害や日照りの影響がさほどなかった」と語っているという。

去年より豊作の声も

むしろ、個人耕作地の持ち主がポンプや水車を設置して、田畑に水を絶やさないように努力したかいあって「去年より豊作だ」という声があちこちから出ているという。

「多くの農民は国が管理する協同農場の作況に、関心を持たなくなった。既に個人耕作地で充分な収穫が得られるからだ。そもそも、国は協同農場の作況に応じて分配量を増やすと言っていたが、実際はあまりもらえない」(両江道の情報筋)

すでに協同農場で収穫された穀物の分配は開始されている。にもかかわらず農場員たちは「増えようが減ろうがどっちでもいい」と冷めた反応を見せているとのことだ。

「協同農場で収穫されたコメは軍人や幹部のためのものだ。一般住民はコメを自分で作ったり商売で儲けたカネで市場で買うのでどうでもいいと思う」(両江道の情報筋)

個人耕作地の作況が良好だったことは、市場のコメ価格にも影響を与えている。

現在、コメ1キロの価格は平壌で4880北朝鮮ウォン、新義州(シニジュ)で4800北朝鮮ウォン、恵山(ヘサン)で4750北朝鮮ウォンだが、これは昨年末に比べて600北朝鮮ウォンほど安くなっている。

コメ価格の下落は、個人耕作地の豊作により市場に放出されるコメの量が増えたことが原因と思われる。

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