きっかけは、日韓首脳会談(今月2日)で「従軍慰安婦問題を早期に妥結する」と合意されたことだ。
これに対する北朝鮮側の言い分は、「おいおい、慰安婦問題の被害者はうちの国にもいるんだから、アンタたちだけで『妥結』したところで何かが終わるわけじゃないんだぜ」というものだ。
これは、基本的には正論である。従軍慰安婦問題において、安倍首相と朴槿恵大統領の「仲直り」は本質的には副次的な問題であり、北朝鮮や他の国にもいる当事者の人権問題がより重要なのだ。
こうした問題は他にもある。戦時中に広島や長崎で被爆し、北朝鮮に帰国した人々は、在外被爆者に対する日本政府の医療支援からも阻害されたままだ。