ちなみに、今回の粛清とは関係ないと見られるが、今年7月に崔龍海氏の甥と見られる男性が韓国で「オレオレ詐欺」で逮捕されるという事件が起きている。
金正恩氏が、政治的にも、または人間関係的にも崔龍海氏は除去すべきと判断する要素は十二分にあるのだ。さらに、この間の崔龍海の処遇を見ているとちょうど2年前の大粛清事件を思い出す。
張成沢(チャン・ソンテク)の粛清・処刑だ。
2013年12月9日、張成沢(チャン・ソンテク)の解任が明らかにされ、その4日後の13日には処刑されたことが北朝鮮国営メディアによって明らかにされる。唐突な粛清・処刑のように見られるが、その一カ月前からデイリーNKは内部情報筋の証言から「張成沢の影響力が弱まった」という情報をキャッチしていた。