この情報筋は、北朝鮮住民が覚醒剤を風邪予防のための万能薬と認識しており「脳卒中と心血管系疾患に効果が優れた最高の救急薬と思っている」と語る。さらに子どもにも効果があるという住民すらいるとのことだ。
「覚せい剤の煙にあたれば1年間は風邪をひかないと言われている。ある住民は、春と秋にインフルエンザ予防接種の代わりに子供たちに覚せい剤の煙をあたらせろと言うぐらいだ」(前述の情報筋)
こうしたなか、5月に粛清・処刑された玄永哲元人民武力相も「覚せい剤のやりすぎが原因で処刑された」という噂が、一部では流れているという。情報筋は「玄永哲氏は425訓練所の准将時代に、行事をうまくこなしたことが故金正日総書記の目に止まり、国防委員会615事業局長を経て、人民武力相まで昇進した。金正恩第1書記に不敬罪を犯す人物ではない」としながら、次のように指摘する。
張成沢氏にも薬物容疑
「5月頃、玄永哲氏は訪ロした直後に、大会に参加するなど多忙な日々を送っており、疲労を回復させるために覚せい剤を服用したことが粛清された理由だ。つまり、高級幹部の間の覚せい剤の蔓延、薬物乱用に警告を鳴らすためだった可能性がある」