2012年に、金正恩第1書記によって結成された「モランボン楽団」は、既に北朝鮮を代表するアイドル、タレントと言っても過言ではない。今年には、モランボン楽団につづくポップグループとして「チョンボン楽団」が結成されたが、両グループとも金正恩氏の寵愛を受けている。先月、チョンボン楽団の公演をモランボン楽団メンバーと共に観覧する金正恩氏の実に嬉しそうな表情がそれをよく表している。
こうした北朝鮮の芸能人や芸術家は、芸術関連機関や軍隊に所属する国家公務員だ。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)所属の芸能人は、日本で言うところの自衛隊音楽隊に所属する演奏者たちといえばわかりやすいだろう。
北朝鮮の芸能人達は、国家公務員だけに一般庶民と比べて待遇的には安定しているが、資本主義国家のようなスターとは違って総じて質素だ。それでも、華やかな世界であることは間違いなく、そのせいか、「芸能人スキャンダル」もちらほら聞こえてくる。
北朝鮮では1980年代から、日本から送られたポルノ映像が、故金正日総書記を核とするエリート層幹部を中心に拡散。なかには北朝鮮の芸能人が出演するポルノ映像も存在したという。
現在、動静が途絶え粛清説も囁かれている北朝鮮指導層の一人である崔龍海(チェ・リョンヘ)氏。この人物は北朝鮮国内でも評判の悪い人物だが、その理由は美貌の芸能人を性の玩具にするなどのスキャンダラスな遍歴があるからだ。