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映画のなかで主人公が日本での暮らしを回想し、子どもの誕生日パーティにケーキにロウソクを立ててハッピーバースデートューユーを歌うシーンが登場するのだ。これ以降、歌は急速に広がったという。

当時はケーキは庶民の手には入らなかったため、歌を歌って誕生日を祝うだけだったが、「最近では金持ちも庶民も、若者も大人もバースデーケーキにロウソクを立てて歌をうたう誕生日パーティが一般化しつつある」と、語るのは平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋だ。

「ハッピーバースデートゥーユーと歌ってローソクの火を吹き消す。周りはクラッカーを鳴らしながら盛大に誕生日を祝うが、韓流ドラマや映画の影響だ」

ケーキやロウソクで誕生日を祝う習慣は、2000年代初めから幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の間で広がったが、これに目をつけたのが北朝鮮の商人たちだ。

2000年代初め頃まで、ケーキと言えば海外から輸入するか、平壌市内の高級レストランに注文するしか手に入れる方法がなかった。しかし、バースデーケーキに需要があると見た北朝鮮の商売人が、様々なケーキを作るようになった。