東京新聞(朝刊)は11日、平壌の「金正日政治軍事大学」がスパイ活動を教育する際に使う内部文書を入手した。「拉致」の方法などが具体的に記されているとされ、北朝鮮が国家主導で拉致をおこなっていたことを裏付ける貴重な資料だという。
同紙によると、入手した内部文書は「金正日主義対外情報学」という工作員養成用テキストで、拉致の目的や手法が詳述されているという。朝鮮労働党関係者によると、金正日氏が総書記に就任した1997年以降に作成され、同氏が死去する2011年まで工作員養成過程で使用されていたという。
文書で「拉致」の表記が、北朝鮮式表記の「ラプチ」ではなく、韓国式表記「ナプチ」となっている点について同紙は、韓国で工作活動をする実情に合わせたものだと分析する。