人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

「労働時間は12時間から多い時では14時間にも達する。休みは1ヶ月にわずか1日のみ。また、大興貿易と中国の水産加工会社が結んだ契約では、労働者の月給は人民元で500元(約9700円)が、北朝鮮労働者に支払われる金額は300元(約5800円)に過ぎない」(北朝鮮の貿易関係者)

ピンはねされた賃金も、朝鮮労働党創立70周年(10月10日)記念行事のための「忠誠の資金」に当てるとの名目で、今年7月から一切支払われていない。この貿易関係者によると「労働者たちは、工場では商品価値のないタラの内蔵を加工して売り払い、なんとか食いつないでいる状態」だという。

出稼ぎで中国の青島にある石炭工場で働いた経験を持つ咸鏡北道(ハムギョンブクト)の住民は「北朝鮮から派遣された60人の同僚がいたが、中国政府の大気汚染改善策で石炭消費が激減したことから、工場は北朝鮮労働者に月給が払えなかった。彼らは作業に不可欠なマスクや手袋など最低限の装備も支給されていなかった」と語る。

中国やロシアで働く北朝鮮の労働者が劣悪な労働環境に置かれていることは、国際的に人権問題となっている。それにもかかわらず、なぜ中国企業は北朝鮮労働者を雇用するのだろうか。

1993年に脱北して現在は「韓半島平和繁栄研究所」の所長を務めるキム・ヒョンドク氏は東亜日報に寄稿した記事のなかで次のように述べた。