毎日新聞は31日、北京の複数の外交関係者の話として、北朝鮮の金正恩第1書記が来年上半期に訪中する方向で中朝間が調整していると報じた。
同紙によると、中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員が朝鮮労働党創立70周年記念行事に出席するため訪朝した際、金正恩氏に渡した習主席の親書に訪中を促す内容が盛り込まれていたという。
金正恩氏が訪中すれば初の外遊となるが、今年5月には招待されていたロシア戦勝記念式典に出席しなかった。また、9月に中国・北京で開かれた抗日戦勝式典にも招待されていたが、これも見送った。こうした経緯から中朝両国の正式な発表や、よほどの確実な情報がない限り、現時点で金正恩氏の訪中は断定できない。
一方、北朝鮮は来年5月に36年ぶりの党大会(朝鮮労働党第7回大会)を開催することを発表した。党大会を通じて、金正恩氏の権力基盤をより強固にしながら金正恩時代をアピールする狙いがあると見られるが、党大会は政治的にも経済的にも大きな負担がかかる。
金正恩氏が大会開催を決断した裏に、中朝関係の改善に一定の目途がたち安定的に大会を開催出来るという判断があったとするなら訪中の可能性も高まってくるかもしれない。