アフリカ南部のナミビアに派遣された北朝鮮労働者が、同国ではペットと認識されている犬や猫を食べている疑いが浮上して大問題となっている。さらに、労働者用の宿舎周辺がゴミだらけになっていて現地住民からひんしゅくを買っている。

ナミビア現地の有力紙「ナミビアン・サン」によると「事件」の現場となったのは首都ウィントフック郊外、スーダーホフにあるナミビア国防軍の新庁舎建設現場の周辺だ。

ペット「盗難」多発で疑惑

読者からの通報で同紙記者が駆けつけたところ、建設現場周辺には人間の糞尿、様々なゴミに混じって犬の足、魚の頭、死んだウサギの子ども、クードゥー(牛の一種)の角などが散乱していた。また、ドラム缶の中にはウサギか猫と思われる死体が入っていた。

さらに、檻の中にはウサギが入れられており、あたりには猫がうろついていたという。 情報を寄せた住民は記者に対して「ウィントフック動物虐待防止協会や警察に何度も通報したが、何もしてくれなかった」と語った。

記事が報じられてから数日後、ウィントフック市当局は、報道から3日後に40人の職員を派遣して大々的に清掃作業を行った。

ウィントフック動物虐待防止協会のブリジット・マイスナー氏はナミビアン・サンの取材に「非常にショックを受けて即刻警察に通報した。現場では犬の骨も収拾したが、市内で最近、ペットの犬や猫が盗まれる事件が多発している。飼い主たちは食べられたのではないかと恐れている」と語った。また、市内での動物の屠殺は、屠殺場を除いては禁じられているが「屠殺場が犬や猫の屠殺を許可するとは思えない」と語った。

北朝鮮関係者「ウサギは体にいい」

ナミビアでは犬肉の消費、販売を禁止する法律はないが、犬食は一部地域を除いてタブーとされる。一方、動物の骨や一部を投棄する行為は、動物愛護法や動物が死んだ時に飼い主が24時間以内に埋葬するように定めた市の条例に違反している。そして事件が大々的に報じられるや、北朝鮮関係者が釈明に乗り出した。

崔と名乗る男性は、ナミビアン・サンの本社を訪れて次のように釈明した。

「動物の一部分が投棄されたことは知らない。我が国の労働者はこの件に関して責任はない。通行人の仕業だろう。また、犬を盗んで建設現場で屠殺したというのは事実ではない」

「建設現場では昨年まで番犬を飼っていたが、今は飼っていない。ウサギは現在も食べるために飼っている。ウサギは健康によい、しかし我々はこの国では犬を食べない」

動物の一部やゴミが遺棄

しかし、建設現場で動物を飼うことも違法行為に当たる。ウィントフック・コンサルティング・エンジニア協会のヘルマン・ファンデル・メルヴェ氏はナミビアン・サンに対して次のようの語った。

「建設現場の外で動物の一部分やゴミが遺棄されていることを確認した。我々は同建設現場に定期的に監察を行っているが、労働者の宿舎はその対象ではない」

建設現場で犬が飼われていたとことについては、「我々の警告を受けて、彼らは犬をどこかに連れ去った。しかし、彼らが裏の茂みに犬を隠していたことが住民の通報で明らかになっている。建設現場で動物を飼育することは違法だが、彼らが未だにウサギを飼っていることを聞いてショックを受けている」と述べた。

独立闘争を支援

ナミビア国防省新庁舎建設現場で働いているのは、北朝鮮の万寿台(マンスデ)創作社系列の万寿台海外開発会社から派遣された労働者だ。 ナミビアの与党、南西アフリカ人民機構が独立闘争を行っていた時代に北朝鮮から様々な援助を受けていたこともあり、長年の友好関係にある。万寿台創作社は国立墓地や国会の建築を受注するなど、大小様々な建築事業に参加している。

今回の国防省新庁舎建設にも万寿台創作社が受注したが、工事の遅れにより600万ナミビアドルの追加予算がかかり、手抜き工事が指摘され、ナミビア国内で批判が高まっている。

今回の件に関して、ナミビア国防省は「庁舎建設は極秘の計画」と答えるにとどまった。また、市当局は何ら反応を示していない。

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