先日、韓国の情報機関、国家情報院は国会に対する国政監査報告を行う中で、北朝鮮国民の意識変化を示す例として、北朝鮮の人々の間で流行っているひとつの「ジョーク」を盛り込んだ。
「わが国には党(朝鮮語でダン)がふたつある」というのが、それだ。
北朝鮮で「党(ダン)」と言えば、国家を支配する朝鮮労働党(チョソンロドンダン)のことを指す。一応、ほかにも党の名の付く団体はあるのだが、朝鮮労働党の「下っ端」に過ぎず、そんなものを「党(ダン)」と呼んで話題にする人はまずいない。
では、朝鮮労働党とは別の「党(ダン)」とは何かと言えば、北朝鮮全土で増殖する「自由市場(チャンマダン)」のことだ。末尾の発音を引っかけているわけだが、それだけチャンマダンが、北朝鮮社会で存在感を増していることが背景にある。
そして、人々はたとえば、こんな風に話しているという。