近年の生産現場は、数千北朝鮮ウォンの月給ではとても食べていけないことから、技術者たちが市場での物売りで忙しい状態になってしまい、生産性の著しい低下が問題になっていた。今回の賃上げで、当局の狙い通り技術職が続々と市場から職場に戻りつつあると情報筋は伝えている。

一方、別の情報筋によると、同じ職場でも事務職などは月給10万北朝鮮ウォンから30万北朝鮮ウォン(約1500円~4500円)しかもらえず、不公平感や不満が高まっている。「労働強度を上げてもいいから、月給を上げてくれ」と抗議する人もいるという。

さらに、雑貨などを生産する工場も外貨稼ぎ会社の従業員の月給は相変わらず3000北朝鮮ウォンから5000北朝鮮ウォンしか受け取れない。特権的な地位にあり、給料外の収入が多い外貨稼ぎ会社の従業員はまだしも、一般的な工場の労働者の生活は相変わらずだ。

一般住民たちは「100万ウォンでも余裕のある暮らしができるわけではない。何らかの事情で製鉄所や鉱山の操業が止まれば給料はもらえなくなる。それだったら市場で商売していた方がマシだ」と言っているという。

庶民が破格の給料を羨ましがらない背景には、鉱山などは労災事故が多く、いつ怪我をして働けなくなるかもしれないという事情もある。

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