金正恩時代の幕開けを象徴するかのように華々しくデビュー(2012年)した北朝鮮初のガールズグループ「モランボン楽団」は、世界的な注目を集めた。これに気をよくしたのか、金正恩第1書記は、北朝鮮ポップス(NK-POP)界に「第二の矢」を放った。その名も「青峰(チョンボン)楽団」。

青峰楽団の公演/2015年10月15日付労働新聞より
青峰楽団の公演/2015年10月15日付労働新聞より

北朝鮮の朝鮮中央テレビは15日、「チョンボン楽団」のライブが連日大賑わいを見せていると報じた。

チョンボン楽団は、11日から16日までの6日間、平壌市内の人民劇場で行われているライブで「党を歌わん」など、最高指導者への忠誠心を訴える歌から「オー・スザンナ」などの西洋の曲まで多彩なレパートリーを披露。

朝鮮中央テレビはチョンボン楽団について「女性歌手の澄んで個性的な声と優雅な動き、軽音楽の恍惚とした響き、楽的情感を高める立体的な照明などは、10月のお祝いの舞台を華やかに飾った」と激賞した。

金正恩氏の指示によって、今年7月に結成されたチョンボン楽団は、金管楽器がメインの軽音楽団だ。8月にロシアで開かれた功勲国家合唱団と共同公演でデビューしたが、今回のライブが北朝鮮国内でのデビューとなった。

メンバー構成などの全貌は、まだ明らかになっていない。男性の演奏者もいることから、モランボン楽団のような女性だけの楽団ではないようだ。また、映像や写真を見る限り、モランボン楽団より「大人のムード」を強調しているように見受けられる。

モランボン楽団が衝撃的なデビューを果たしたのが2012年。この3年間、北朝鮮音楽の常識を覆す編曲や演出で、数々の話題を振りまいてきたが、ここ最近は、多少のネタ切れ感やマンネリ感は否めなかった。

もしかすると、金正恩氏も「マンネリ感」を敏感に察知して「チョンボン楽団」という第二の矢を放ったのかもしれない。いずれにせよNK-POPは、プロパガンダゆえにその時の政治状況や社会の空気が反映されがちだ。そうした意味でも新たなスター「チョンボン楽団」から目が離せない。

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