北朝鮮が、電力不足を解決するために鳴り物入りで建設した「白頭山英雄青年発電所」については、様々な問題提起がなされてきたが、完工されたものの、構造的に水を溜めずらく、まともに稼働できない可能性があると、両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

発電所の建設が始まったのは、2002年。発電出力は6万キロワットとそれほど大規模ではないが、相次ぐ事故などで工事が遅々として進まなかった。そして13年経ってようやく完成したのだが、情報筋は「発電設備が放置されていたため老朽化が進み、フル稼働は難しい」と指摘する。

「仮にフル稼働出来る状態だとしても、ここは元々降水量が少なく、冬は氷点下30度まで下がる『極寒の地』11月に水は凍り、ダムの底には玄武岩が多いため、水を溜めることすら難しいと見られる」(両江道の情報筋)

実は、こうした問題点、建設前から指摘されていた。 多くの科学者や技術者は「白頭山発電所は問題だらけで経済性がない」と指摘していたが、「建設が途中でストップした理由も、経済性がないと見られていたからではないか」と情報筋は見る。

しかし、金正恩第1書記は、そうした意見を無視して建設を強行。高級幹部の粛清、処刑が相次ぐ中、とても金正恩氏に意見を言える雰囲気ではないため、誰も止められずに工事が進んでしまったのだ。

情報筋は「そのうち、発電ができないなどの問題が発生し、放置され廃墟となるのではないか。そうなれば、国営メディアからも姿を消すだろう」と語った。また、建設を強行した金正恩氏は、別の人に責任をなすりつけるだろう。

しかし、13年間という長期に及んだ建設期間中、労働力や金品の供出を要求され続けた地域住民からは怒りの声が上がっている。 現地の住民たちは「青年たちが苦労を重ねて馬鹿げた発電所を作らされた。彼らを褒めるために発電所の名前に『青年』という単語を入れたのではないか」と当局を皮肉っている。

また、別の住民は「わずかな電気も、革命史跡地や療養所や金正恩氏の特閣(別荘)に送るのだろう」と、発電所が完成しても、電気が全く供給されない状況に何ら変わりがない状況を嘆いた。

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