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北朝鮮では、道路建設となると周辺に済む住民たちが労働力として駆り出される。当局は、秋の収穫を終えると春の種まきまで特にやることのない協同農場の人々を駆り出すにはもってこいの季節だと考えたのだろう。実際、工事の期間は10月末から3月末までとされている。

しかし、この地方は冬には氷点下30度を下回る。極寒の地で過酷な労働が予想され、肉体的に苦しいのはもちろんのこと、様々な労災が発生することは目に見えている。

両江道の住民は「党創立70周年記念行事の準備でクタクタなのに、今度は工事に借り出されるかもしれないと考えると不安でたまらない」と嘆く。医療施設が皆無に等しい山中で事故に遭えば、命を落とすことはほぼ確実だ。

多少の賃金は払ってでも、作業に慣れた建設労働者が工事をする方が、よほど安全で丈夫な道路ができるはずだが、資金不足で払う資金がないため、無料の住民の動員に頼らざるをえない。

北朝鮮が経済発展するためには、インフラ整備だけでなく、こういう悪習から脱却することも大きな課題といえる。