残念なのは、メディアが金正恩体制の蕩尽を、北朝鮮の人権問題と結び付けて報じる視点を欠いていることだ。北朝鮮当局がそれを逆手にとり、外信を招き入れ、派手なイベントや長距離弾頭ミサイル開発の「実力」を宣伝するのに余念がない。
あまつさえ日本の一部メディアは、北朝鮮での取材許可を得るために朝鮮総連の要求に屈服し、北朝鮮の人権侵害を告発するジャーナリストを排除する始末である。
北朝鮮での現地取材が、貴重な機会であるのは事実だ。しかしそれは、金正恩体制の矛盾に満ちた本質に迫るための機会として捉えられなければならない。
(文/ジャーナリスト 李策)
【参考記事】特集:2012 黄海道飢饉(アジアプレス)
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