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80年代以前は、国の配給システムがそれなりに機能しており、現金収入がなくても最低限の食料、衣類、住宅などは保障されたが、90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の頃から、配給制度は有名無実化した。つまり生きていくには、なによりも「現金」が必要になったのだ。

北朝鮮で、4人家族が1ヶ月生活するには少なくとも20万北朝鮮ウォン(約3000円)、子どもにまともな教育を受けさせるには60万北朝鮮ウォン(約9000円)が必要だ。給料を現実に合わせるためには、何十倍も価値を上げる必要があるが、根拠のない紙幣増刷はハイパーインフレと北朝鮮ウォンの暴落を招きかねない。

もはや、北朝鮮国民でさえ信用しない北朝鮮ウォンが、これ以上下がれば、金正恩体制はますます弱体化するだろう。

税金制度は復活できず、月給も上げられない——生活費が足りない公機関のイルクン(職員)たちに、残された方法は「住民から金品を供出させて税金の代わりとする」「住民からワイロを巻き上げて幹部を含めた公務員の収入を確保する」ぐらいしかない。

北朝鮮の賄賂と拝金主義は、故金日成氏の根本的に間違った経済政策が生み出したと言っても過言ではない。